生命倫理と法II

●生命倫理はどこで道を間違えたのか!?

著者 樋口 範雄
岩田 太
出版年月日 2007/12/30
ISBN 978-4-335-35410-6
Cコード 3032
判型・ページ数 4-6 上製 ・ 480ページ
定価 3,520円(本体3,200円+税)
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内容紹介
目次

生命倫理は21世紀の最重要課題の1つです。生命倫理という言葉は、伝統的な医療倫理が行き詰った20世紀後半に生まれたとされています。2年前に刊行し、多くの読者に恵まれた第1弾につづき、そこで扱えなかったテーマを取り上げます。
 第1巻が、生命倫理と法の重要問題をほぼ網羅的にとらえていたとすれば、このパート2は、これまで生命倫理の射程には入っていなかったような新しいテーマに挑んでいます。
 そもそも医療行為とは何をさすのか、人体試料を研究・解剖・教育で利用するには何が問題か、医療安全を法はどう確保していけるのか。そして、医療訴訟の諸相、生命倫理を考える際に必要な発想の転換について、法律家、医者、行政担当者がそれぞれ独自の視点で捉え直し、現代における生命倫理と法が直面する諸問題を浮き彫りにしています。
 生命倫理の名のもとに議論すべき課題自体を問い直し、法律家が生命倫理とどう向き合うべきかを再考します。

第1章 医行為の再検討
 1 「医行為」概念の再検討(樋口範雄)
 1-1 樋口論文に対する若干のコメント(佐伯仁志)
 1-2 医行為概念の再検討-行政法学の立場からのコメント(山本隆司)
 1-3 アメリカの状況-消費者主導の医療ケア・サービスの一例として(ロバート・B・レフラー/三瀬朋子訳)
 2 「医行為」概念の解釈運用について(野口尚)
 3 AEDの市民使用に関わる問題(三田村秀雄)
 4 「医行為」の問題点-患者家族の視点から(大塚孝司)
第2章 人体試料の利用と法
 1 研究・教育・医療での利用-問題の所在(森茂郎)
 2 人由来資料の研究利用(宇都木伸)
 3 解剖が担うべき現代的役割とその法的根拠(旗手俊彦)
 4 規制を形成する要素について(小澤時男)
 5 英国2004年人体組織法とその影響(ヴェロニカ・イングリッシュ/岩田太・新沼径訳)
第3章 医療安全と法
 1 医療安全と法の日米比較(ロバート・B・レフラー/三瀬朋子訳)
 2 診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業について(田原克志)
 3 刑事司法の現状(佐伯仁司)
 4 民事訴訟の現状(近藤昌昭)
 5 行政処分の現状(宇賀克也)
 5-1 病理解剖を基にした「医療関連死の医療評価システム」(深山正久・加治一毅)
 5-2 過失の追及と医療安全の推進(山口徹)
 5-3 医師法21条をめぐる現実的な課題(児玉安司)
 5-4 刑事処分と行政処分(畔柳達雄)
 5-5 医療被害者の「5つの願い」(加藤良夫)
第4章 医療過誤訴訟と現在
 1 医療訴訟-その役割と医療界への期待(前田順司)
 2 医療訴訟にみる患者の自己決定権論
   -最高裁平成17年9月8日判決を契機に(土屋裕子)
 3 医師の説明義務違反における損害論
   -義務違反と結果との因果関係を否定した事例をめぐって(畑中綾子)
 4 Wrongful birth訴訟の法社会学的考察
   -日米比較とアメリカ法からの示唆(秋元奈穂子)
第5章 生命倫理と法-発想の転換
 1 医療過誤訴訟改革と患者の安全
   -アメリカからの教訓(ランドール・R・ボーヴァーグ/岩田太訳)
 2 揺れる振り子
   -ヒトを対象とする研究における正義観の変遷
  (アンナ・マストロヤンニ/ジェフリー・カーン/樋口範雄訳)
 3 生命倫理はどこで道を間違えたのか(カール・E・シュナイダー/土屋裕子訳)
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