倒産法の最新論点ソリューション

●倒産実務における最新重要論点に挑む!

著者 岡 正晶 監修
林 道晴 監修
松下 淳一 監修
植村 京子
籠池 信宏
木村 真也
清水 祐介
松下 満俊
水元 宏典
三森 仁
山崎 栄一郎
出版年月日 2013/09/15
ISBN 978-4-335-35569-1
Cコード 3032
判型・ページ数 A5 上製 ・ 368ページ
定価 4,950円(本体4,500円+税)
在庫

在庫あり

弘文堂ネットストアでご注文

ネット書店でご注文
内容紹介
目次

 倒産実務の現場で問題となっている最新論点に、第一線で活躍する6名の弁護士が、さらに裁判官と研究者が加わり、果敢に挑んだアクチュアルで学究的な実務書。
 本書では、第I部として、各種の権利が倒産手続の中でどのように取り扱われるか、第II部として、倒産手続上の様々な概念の意味内容と、それが破産管財人をはじめとする手続機関の活動や利害関係人の地位を考えるうえで、どのような影響を与えるかが、具体的設例をも交えながら、判例と学説を参照しつつ展開されています。その記述は、求めに応じて正解を与えるようなものではなく、徹底した分析と考察を示し、読者がそれを読み解くことで満足を得られる内容となっています。
 法的解決基準が確立されていない問題に遭遇した際に、実務家は、どのように立ち向かっているかをリアルに伝える、満身の力をこめた刺激に満ちた一冊。

【推薦の辞】田原睦夫(元最高裁判事)・伊藤眞(早稲田大学教授)

第I部 倒産手続における各種の権利

1 原状回復請求権の法的性質に関する考察(三森 仁)
 I 賃借人の原状回復義務の根拠・内容
 II 原状回復請求権の法的性質
 ◎一裁判官の視点(山崎栄一郎)

2 賃借人破産と破産法53条1項に基づく破産管財人の解除選択
  ――賃貸人の原状回復請求権・原状回復費用請求権を中心に(水元宏典)
 I 比較法的考察
 II 検討
 III まとめと展望
 
3 破産手続における動産売買先取特権に関する考察(松下満俊)
 I 動産売買先取特権の行使方法
 II 破産管財人による任意売却
 III 物上代位の目的債権の回収・譲渡
 IV 最後に
 ◎一裁判官の視点(山崎栄一郎)

4 商事留置権に関する諸問題(植村京子)
 I 留置権について
 II 各倒産手続における留置権の取扱い
 III 建物建築請負人の敷地に対する商事留置権の成否
 IV 金融機関が占有する商事留置手形の換価金の取扱いについて
 ◎一裁判官の視点(山崎栄一郎)

5 投資信託の販売金融機関による相殺の可否および商事留置権の成否(木村真也)
 I 問題の所在と本稿の立場
 II 投資信託の法律関係について
 III 設問1〔個別執行手続下での投資信託の解約と相殺〕について
 IV 設問2〔破産手続下での投資信託の解約と相殺〕について
 V 設問3〔再生・更生手続下での投資信託の解約と相殺〕について
 VI 設問4〔危機時期における投資信託の解約と相殺〕について
 VII 設問5〔投資信託に対する商事留置権の成否〕について
 ◎一裁判官の視点(山崎栄一郎)

6 破産手続における開始時現存額主義をめぐる諸問題(松下満俊)
 I 平成22年3月16日最高裁判決の概要
 II 総債権説・口単位説
 III 弁済充当特約
 IV 口単位説における利息・損害金の考え方
 V 代位権不行使特約と口単位説
 VI 過剰配当の処理
 ◎一裁判官の視点(山崎栄一郎)

7 弁済による代位と債権の優先性に関する考察(三森 仁)
 I 下級審裁判例の傾向
 II 最高裁判決
 III 検  討
 ◎一裁判官の視点(山崎栄一郎)

第II部 破産財団・手続機関

8 支払不能と支払停止をめぐる考察(清水祐介)
 I 手形利用の減少
 II 平成16年破産法改正時に議論された「支払不能基準の曖昧さ」について
 III 新たな状況
 IV 破産法の定義と旧法下の議論の整理
 V 破産法2条11項の文言解釈
 VI 破産手続開始原因としての支払不能と、否認・相殺の基準時としての支払不能
 VII 支払不能の検討場面(1)(破産手続開始原因として)
 VIII 支払不能の検討場面(2)(破産法162条1項2号の「他の破産債権者を害する事実」) 
 IX 支払不能の検討場面(3)(破産法162条1項1号・偏頗行為否認)
 X 偏頗行為否認の場面において、支払不能の規範化の検討
 XI 支払停止の再検討
 XII 裁判例の検討
 XIII 結  語
 ◎一裁判官の視点(山崎栄一郎)

9 将来賃料債権処分等の倒産法上の取扱い―「投資の清算」理念からの試論
 (籠池信宏)
 I 将来賃料債権の処分等に関する現行法の取扱いと問題の所在
 II 倒産手続は「投資の清算」を本質とする手続であること
 III 「投資の清算」を規律する法制度としての倒産法の位置付け
 IV 将来債権譲渡等取引の倒産手続上の処遇
 V 将来賃料債権を受働債権とする相殺を無制限に認める取扱いの不合理性
 ◎一裁判官の視点(山崎栄一郎)

10 破産管財人の法的地位――通説に対する批判的考察(籠池信宏)
 I 通説的見解とその問題の所在
 II 破産管財人の地位の理論的性格
 III 破産管財人の実体法上の地位
 IV 破産管財人の地位が問題となる個別論点についての検討
 ◎一裁判官の視点(山崎栄一郎)

11 源泉徴収義務の破産管財人に対する適用方法と適用範囲(木村真也)
 I 問題の所在
 II 破産管財人の源泉徴収義務について(設問(1)関係)
 III 源泉徴収義務の財団債権性(設問(2))
 IV 具体的場面における適用方法の検討(設問(3))
 ◎一裁判官の視点(山崎栄一郎)

12 否認の効果としての差額償還請求権(植村京子)
 I 差額償還制度(破産法168条4項)の立法経緯
 II 破産法168条4項の要件論
 III 差額償還 (破産法168条4項)の価額の算定時期
 IV 差額償還請求の相手方の地位
 ◎一裁判官の視点(山崎栄一郎)

13 「知れている債権者」をめぐる考察(付・自認制度の廃止提言)(清水祐介)
 I はじめに
 II 会社法における解釈論
 III 倒産手続の入り口において
 IV 倒産手続の進行中において
 V 倒産手続の出口において
 VI 責めに帰することができない事由(民事再生法181条1項1号)
 VII 自認漏れ再生債権(民事再生法181条1項3号)
 VIII 自認義務についての立法提言(試論)
 ◎一裁判官の視点(山崎栄一郎)
弘文堂スクエア
こども六法 第2版 特設サイト
実務の技法シリーズ特設サイト
採用情報
新・社会福祉士シリーズ