自由と天皇制

新しい天皇像が見えてくる

著者 笹川 紀勝
出版年月日 1995/05/15
ISBN 978-4-335-30112-4
Cコード 1332
判型・ページ数 4-6 上製 ・ 248ページ
定価 1,980円(本体1,800円+税)
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内容紹介
目次

天皇の意思は認められるのでしょうか。昭和天皇の戦争責任を問い直しつつ、明治維新まで遡って象徴天皇制の意味を探り、天皇の存在をもって自由と民主主義の発展を妨げる伝統的立憲主義の払拭をめざします。天皇制を歴史的資料をもとに捉え直しています。

I 問題提起-自由と民主主義の発達のために
 一 はじめに-昭和天皇の戦争責任をどう考えるか
 二 課題-立憲君主制の二つの考え方
    「戦争は避けがたかった」?
    「戦争責任等に関する件」の閣議決定
 三 立憲君主制の二つの考え方
    総司令官マッカーサーによる天皇免責の立憲的正当化
    裁判長ウエッブによる天皇免責の立憲的正当化の否定
    検討すべき課題としての立憲君主制
 四 まとめに代えて-今後の論述のために

II 立憲君主制を受け入れた基盤の歴史的研究
     -基礎的作業
 一 はじめに
 二 孝明天皇の意思の表明-文久3年8月18日の政変
    黒船の来航と尊王攘夷の運動
    過激派公卿に悩む孝明天皇
 三 岩倉文書一の内容
    石清水行幸
    大和国行幸
    勅命の真偽問題と天皇の個人的意思
 四 天皇の意思とはなにか-真木和泉の思想と行動
    禁門の変と諫争・君側の奸の排除
    君側の奸の排除-禁門の変の戦いの目的
 五 討幕の主体形成と忠誠観念の展開
    長州追討をめぐって-大久保の書簡の分析のために
    討幕に向かって-木戸の書簡の分析のために
 六 明治維新による統一権力の形成と天皇の意思
    天皇観をめぐるいくつかの議論-「国家理性の範囲内」
    岩倉文書二の分析
    明治憲法の制定前に出揃う天皇像
    板垣の天皇論の岩倉・大久保の天皇論に示唆するもの
 七 明治憲法の天皇制
    明治憲法の規定の仕方と運用
    明治憲法の運用と政治的天皇像-昭和天皇に即して
    聖断への対応の検討
 八 まとめに代えて-IIIへの橋渡しとして

III 日本国憲法の天皇制の解釈問題
 一 象徴の構造
    表現方法としての象徴と法の問題
    天皇制をめぐる新旧憲法の変化をめぐって
 二 日本国憲法における天皇の意思の諸問題
    摂政と委任の問題
    大嘗祭
 三 皇室経済
    皇室に対する国会の民主統制の原則
    皇室経済法の仕組みと変遷-国会の民主統制の後退傾向
 四 IIIのまとめに代えて-近代的立憲主義の前進と動揺

結びとして
弘文堂スクエア
こども六法 第2版 特設サイト
実務の技法シリーズ特設サイト
採用情報
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