都市のドラマトゥルギー

東京・盛り場の社会史

盛り場の分析を通して近代日本の都市化を描く

著者 吉見 俊哉
出版年月日 1987/07/10
ISBN 978-4-335-55029-4
Cコード 1036
判型・ページ数 4-6 上製 ・ 360ページ
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内容紹介
目次
〈近代〉が具象的な目に見えるかたちをとって定在する場所が〈都市〉という空間である。「上演論的パースペクティヴ」を視座に浅草・銀座・新宿・渋谷の都市空間の鮮明な対比を骨格とした厚味のある社会史研究。
緒言(見田 宗介)
序章 盛り場へのアプローチ
   問題─都市論ブーム再考
   視座─上演論的パースペクティヴ
   対象─出来事としての盛り場
   本書の構成

I章 盛り場研究の系譜
  1 盛り場と民衆娯楽(権田 保之助)
   浅草調査と「盛り場=民衆娯楽」論
   民衆芸術・民衆文化論のプロブレマティック
   民衆娯楽論のプロブレマティック
   「盛り場=民衆娯楽」論を超えて
  2 盛り場とモダン生活(今 和次郎)
   考現学と「盛り場=モダン生活」論
   モダン生活論のプロブレマティック
   「盛り場=モダン生活」論を超えて
  3 盛り場と都心機能(磯村 英一)
   都心・副都心調査と「盛り場=都心機能」論
   都心機能論のプロブレマティック
   「盛り場=都心機能」論を超えて
  結 「盛り場=出来事」研究に向けて

II章 博覧会と盛り場の明治
  1 原型としての博覧会─上演I
   明治国家と博覧会の思想
   博覧会の舞台としての「上野」
   明治国家と博覧会の演出
   明治・大正期における博覧会の上演
  2 盛り場におけるまなざしの近代─上演II・IIIへ
   勧工場と鑑賞する視線
   〈異界〉への窓としての盛り場
   明治国家と江戸の盛り場
   〈外国〉への窓としての盛り場
  結 1870から90年代の都市空間における「開化」の位相
   〈異界=他界〉への窓/〈外国=未来〉への窓
   〈触れる〉こと/〈眺める〉こと

III章 盛り場の1920年代
  1 トポスとしての「浅草」─上演II
   奥山時代と浅草公園の誕生
   民衆娯楽のメッカとしての「浅草」
   〈浅草的なるもの〉の上演
   「浅草」に群れ集う人びと
  2 「浅草」から「銀座」へ─上演III
   関東大震災と「銀座」の抬頭
   〈銀座的なるもの〉の上演
   〈銀座的なるもの〉をめぐる演出
   「銀座」を遊歩する人びと
  結 1910~30年代の都市空間における「モダン」の位相
   幻想としての〈家郷〉/増殖する〈未来〉
   〈群れる〉こと/〈演じる〉こと

IV章 盛り場の1970年代
  1 トポスとしての「新宿」─上演IV
   闇市時代と歌舞伎町の誕生
   アングラ文化の拠点としての「新宿」
   〈新宿的なるもの〉の上演
   「新宿」に群れ集う人びと
  2 「新宿」から「渋谷」へ─上演V
   オイルショックと「渋谷」の抬頭
   〈渋谷的なるもの〉の上演
   〈渋谷的なるもの〉をめぐる演出
   「渋谷」を遊歩する人びと
  結 1960~80年代の都市空間における「ポストモダン」の位相
   幻想としての〈家郷〉/散乱する〈未来〉
   〈演じる〉ことの突出

結章 近代化日本と盛り場の上演
   結論I─都市化の二局面
   結論II─「近代」の構造転換
   展望─いま、〈演じる〉こと
 あとがき
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