正犯と共犯を区別するということ

混迷の共犯論に新しいアプローチで挑む!

著者 亀井 源太郎
出版年月日 2005/12/15
ISBN 978-4-335-35357-4
Cコード 3032
判型・ページ数 A5 上製 ・ 208ページ
定価 4,400円(本体4,000円+税)
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内容紹介
目次

 共犯論は、未だ錯綜しているだけに刑事法にとっては変わらず重要なテーマです。このような状況にある共犯論を整理し直すため、正犯概念、とりわけ共同正犯概念を取り上げ、実体法・手続法にまたがり内在的そして外在的に正犯と共犯を区別することの意味を探ります。
 なぜ共同正犯に焦点をあてるのか。それは、わが国の裁判実務において、複数の者が関与して行われた犯罪のうち、実に98%が、被告人が正犯として関与したというケースであり、実務において圧倒的に重要なのは共同正犯概念であることがわかっているからです。
 わが国の共犯現象の実態を司法統計を用いて明らかにするところからスタートし、独自の手法で、刑法理論と裁判実務を架橋し、正犯と共犯を区別することの意味と視座を提示する野心的な論文集です。

第1章 はじめに
 I 本書の主題
 II 本書の構成と手法
 III 共犯現象の実際
第2章 共同正犯の「本質」論
 I 行為共同説と犯罪共同説
 II わが国における議論の展開
 III ドイツにおける議論の展開
 IV わが国の(裁)判例の動向
 V やわらかい行為共同説の妥当性
 VI 小括
第3章 従来の正犯論
 I 共犯の「内側の限界」――正犯と共犯の区別
 II わが国における議論の展開
 III ドイツにおける正犯概念
 IV 小括
第4章 「役割分担モデル」
 I 「役割分担」による区別の可能性
 II 実行行為を行う従犯
 III 小括
第5章 正犯概念と手続法
 I 手続法的考察の必要性
 II 警察・検察実務上の問題と運用
 III 裁判実務上の問題と運用
 IV 共謀の証明の程度と判示方法
 V 小括――正犯と共犯を区別する手続法上の意味
第6章 おわりに
 I 正犯と共犯を区別するということ
 II 正犯概念の内実
 III 結語
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