臨床に必要な社会福祉援助技術

社会福祉援助技術論

ソーシャルワーカーとして、そして人間として成長していくための提案

著者 福祉臨床シリーズ編集委員会
柳澤 孝主 責任編集
出版年月日 2006/03/15
ISBN 978-4-335-61032-5
Cコード 3347
判型・ページ数 B5 並製 ・ 248ページ
定価 2,750円(本体2,500円+税)
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内容紹介
目次
●社会福祉の現場で起こる困難をいかにしたら“力”に変えられるか
 社会福祉援助技術を実践的・体系的に理解する試み
 『臨床に必要な社会福祉援助技術』の「臨床に必要な」とは、社会福祉の現場に役立つという意味と同時に、当事者主権や利用者主体の援助に役立つということを前面に出していきたいと考えました。
 したがって本書は、単なる援助者による援助のための枠組としての技術というよりも、その技術を支えている基盤から社会福祉援助技術の問題を整理し検討しています。
 つまり、援助者と利用者の関係の中から生成してくるものを土台に、いやむしろ、利用者主体の、したがって当事者主権を中心にした社会福祉援助技術を展開していくものです。


【本書の特徴】(1)社会福祉援助技術と「臨床」の関連を明確にする、(2)社会福祉援助技術と日常性の関係を理解する、(3)実践例・具体例を通してソーシャルワーカーとしての感性を磨く、(4)社会福祉援助技術を体系的に整理・理解する、(5)Q&A、ジェネリックポイント、演習問題で各章の内容を明確にする、(6)コラム、参考文献の紹介を通して援助活動を多次元的に検討する、(7)近接する援助専門職との連携を考える。
はじめに(柳澤孝主)

序章 社会福祉援助技術と臨床(柳澤孝主)
1.方法としての臨床
     A.臨床の意味
     B.臨床の空間化
2.社会福祉援助技術の臨床的性格
     A.社会福祉における経験主義と知的合理主義
     B.社会福祉援助技術と臨床的態度
3.社会福祉援助技術と日常性
     A.共同主観的な人間理解
     B.社会福祉援助技術の目標
 【コラム】

I.社会福祉援助技術の基礎

第1章 社会福祉援助技術の基礎(宮本和彦)
1.社会福祉援助技術の基本的考え方
     A.実践の学としての社会福祉援助技術
     B.社会福祉援助技術の代表的な定義
2.社会福祉援助技術の枠組み
3.社会福祉援助技術の独自性

第2章 社会福祉援助技術の位置(構造と機能)(幡山久美子)
1.社会福祉の理念と社会福祉援助技術
     A.社会福祉の理念
     B.社会福祉援助技術における理念
2.社会福祉援助技術と社会資源
     A.社会資源とは何か
     B.社会福祉援助技術にとっての社会資源の意義
3.社会福祉援助技術の構造と機能
     A.社会福祉の拡大と個別化
     B.個別性と全体性
     C.理念・実践・実体

第3章 社会福祉援助技術の歴史(宮本和彦)
1.イギリスで誕生した社会福祉援助技術
     A.社会福祉援助技術の基礎を築いた諸活動
     B.慈善組織協会の活動
     C.警察裁判所伝導員の活動
     D.セツルメントの活動
     E.ソーシャルワークの先駆的活動の意義と社会福祉援助技術
2.アメリカで発展した社会福祉援助技術
     A.社会福祉援助技術の形成期
     B.社会福祉援助技術の確立期
     C.社会福祉援助技術の発展期
3.日本における社会福祉援助技術の展開
     A.戦前の社会福祉援助技術
     B.戦後の社会福祉援助技術
     C.地域を基盤とした社会福祉援助技術の展開

第4章 社会福祉援助技術の専門性(野島博邦・田中利則)
1.知識と技術(野島博邦)
     A.知識
     B.技術
2.社会福祉援助技術と専門職としての条件(野島博邦)
3.価値と倫理(田中利則)
     A.価値の認識の相違と多面性
     B.ソーシャルワークにおける価値
     C.日本ソーシャルワーカー協会倫理綱領の概要
     D.クライエントの主体性や受益性を阻害する問題点
     E.権威的な援助関係の成立と自己正当化の強化
     F.クライエントの主体性や受益性を確保する援助関係の形成
 【コラム】

II.社会福祉援助技術の体系

第5章 個別援助技術(ケースワーク)(厚美 薫)
1.個別援助技術の原理・原則
     A.個別援助技術を支える原理
     B.個別援助技術の原則をどう理解し、活用するか
2.個別援助技術の定義と概念
     A.リッチモンドの定義
     B.バワーズの定義
     C.パールマンの定義
     D.ホリスの定義
3.個別援助技術の展開過程
     A.インテーク
     B.アセスメント
     C.契約
     D.援助計画立案
     E.援助の実施
     F.評価
     G.援助の終結期
     H.援助終結
4.個別援助技術の事例と臨床
 事例 Tさんとのかかわり

第6章 集団援助技術(グループワーク)(梶原隆之)
1.グループとグループワーク(グループワークの種類)
     A.グループワークにおける“グループ”
     B.グループワークの種類
2.集団援助技術の原理・原則
     A.トレッカーの原理と臨床
     B.コノプカの原理
3.集団援助技術の定義・概念
     A.定義・概念
     B.グループワーカーと臨床
     C.プログラムと臨床
4.集団援助技術の展開過程
     A.展開過程の理論体系
     B.展開過程と臨床
     C.観察・記録
5.集団援助技術の事例と臨床
 【コラム】

第7章 地域援助技術(コミュニティワーク)(山本美香)
1.コミュニティと地域
     A.コミュニティの定義
     B.変貌するコミュニティのすがた―失われた共同性
     C.新たなコミュニティのありかた
2.地域援助技術の定義と概念
     A.地域援助技術とは何か
     B.地域援助技術概念の変化
     C.コミュニティワークの担い手
3.地域援助技術の原理・原則
     A.前提となるソーシャルワークの原則
     B.地域援助技術の原則
4.地域援助技術の展開過程
5.コミュニティワークの事例

第8章 ケアマネジメント(鎌田真理子)
1.人間生活へのマネジメントの発想
     A.ケースマネジメントの始まり
     B.ケアマネジメントへ
     C.わが国でのケアマネジメント
     D.人間生活とケアマネジメント
2.ケアマネジメントの原理・原則
     A.対象とニーズの特性
     B.ケアマネジメント固有の目的
3.ケアマネジメントの定義
     A.定義
     B.三大構成要素
4.ケアマネジメントの展開過程
5.ケアマネジメントの事例と臨床
     A.模擬事例
     B.検討の視点について
 事例 宅老所利用で生じた課題

第9章 社会福祉調査(原田 謙)
1.社会福祉調査の特徴
     A.なぜソーシャルワーカーにとって社会調査が必要なのか?
     B.福祉ニーズの把握
     C.福祉サービスの評価
2.社会福祉調査を設計する
     A.量的調査
     B.質的調査
     C.実験計画法
3.社会福祉調査の実際
     A.事業評価―介護保険制度の評価
     B.臨床評価―特別養護老人ホームにおける「声かけ」の効果

第10章 カウンセリングとコンサルテーション(幡山久美子)
1.カウンセリング
     A.対人援助技術におけるカウンセリングの位置づけ
     B.カウンセリングにおける基本姿勢
     C.カウンセリングの目的と方法
2.コンサルテーション
     A.コンサルテーションの定義
     B.コンサルテーションの特性
3.社会福祉専門職とカウンセリング・コンサルテーション
     A.社会福祉専門職とカウンセリング
     B.社会福祉専門職とコンサルテーション

第11章 スーパービジョン(増田康弘・大熊信成)
1.スーパービジョンの種類と定義(増田康弘)
     A.スーパービジョンとは
     B.スーパービジョンの種類
     C.スーパービジョンの定義と過程
2.スーパービジョンの意味と役割(増田康弘)
     A.スーパービジョンの必要性
     B.スーパービジョンの機能
3.個人スーパービジョンとグループ・スーパービジョン(大熊信成)
     A.個人スーパービジョンの課題
     B.グループ・スーパービジョンの課題
 【コラム】
 【事例】実習生へのスーパービジョン

第12章 関連援助技術(佐藤佳子)
1.ソーシャル・サポート・ネットワーク
     A.ソーシャル・サポート・ネットワークの必要性
     B.ソーシャル・サポート・ネットワークとは
     C.ソーシャル・サポート・ネットワークの形成
2.ソーシャルアクション
     A.ソーシャルアクションとは何か
     B.ソーシャルアクションの進め方
3.社会福祉計画(ソーシャル・プランニング)
     A.社会福祉計画とは
     B.地域福祉計画の特徴
     C.地域福祉計画と住民参加
4.ソーシャル・アドミニストレーション(社会福祉運営管理)
     A.ソーシャル・アドミニストレーションの概念
     B.ソーシャル・アドミニストレーションの展開
 【事例】独居生活を支えるソーシャル・サポート・ネットワークの構築
 【事例】過疎地における福祉サービスの構築

第13章 記録と評価(佐藤直子)
1.主観的なことと客観的なこと
     A.主観的理解と共同主観的理解
     B.客観的なこと
     C.記録における主観と客観
2.記録の意義と方法
     A.記録の意義と目的
     B.記録の方法
     C.記録の文体
     D.記録の技術
     E.記録の種類
     F.記録の課題
3.評価の意義と方法
     A.評価の意義と目的
     B.評価の種類
     C.評価の方法
4.マッピング技法
5.臨床にとっての意味

III.社会福祉援助技術と関連分野

第14章 社会福祉援助技術と関連分野(鎌田真理子)
1.第一次分野と第二次分野
     A.社会福祉援助技術の専門活動の場
     B.第一次分野
     C.第二次分野
2.社会福祉援助技術と保健・医療
     A.社会福祉援助技術と変わる医療現場
     B.医療ソーシャルワーカーの役割
     C.保健医療における業務の枠組み
3.社会福祉援助技術と司法
     A.社会福祉援助技術と司法について
     B.権利擁護と社会福祉援助技術
     C.権利擁護事業と社会福祉援助技術
4.社会福祉援助技術と教育
     A.教育における社会福祉援助技術
     B.スクール・ソーシャルワーク活動の内容
     C.実践レベルでの内容
 【コラム】
 【事例】民生委員の協力で取られた労災手続き

IV.社会福祉援助技術とソーシャルワーカーになること

第15章 社会福祉援助技術とソーシャルワーカーになること(柳澤孝主)
1.社会福祉援助技術と実習教育
2.社会福祉援助技術とソーシャルワーカーの基本的態度
     A.「相手の立場に立っ」て“見る”ことと現実的公開性
     B.臨床的態度と「きく」こと
3.臨床的なソーシャルワーカーになること
     A.気づくこと
     B.工夫すること
     C.苦労すること
 【コラム】
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