アメリカ渉外裁判法

●法が唯一無二ではない特殊な国アメリカを理解するための基本書!

著者 樋口 範雄
出版年月日 2015/06/02
ISBN 978-4-335-30376-0
Cコード 3332
判型・ページ数 A5 上製 ・ 376ページ
定価 4,180円(本体3,800円+税)
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内容紹介
目次

 アメリカでは、連邦や準州までいれれば50以上の法制度が常に競争している状況にあり、州ごとに独立した法が抵触したら、どう解決するのか、という問題がたえず存在している。
 異なる複数の法が交錯する際に生じる問題を具体的事例をもとに解き明かし、複雑な法制度に対処するアメリカ法のダイナミズムに迫る。分権社会アメリカを理解するための概説書。

第1章 アメリカにおける渉外裁判法または抵触法(conflict of laws)
 I はじめに――渉外事件が日常的であること
 II アメリカの渉外裁判法の位置づけ
 III 最も重要な課題――そもそもなぜ法の抵触を問題とするのか
第2章 裁判管轄権とドミサイル概念
 I 裁判管轄権(jurisdiction)
 II ドミサイル(法的な意味での本拠:domicile)
 III 人的裁判管轄権と憲法的要請
 IV 裁判管轄権――現代の状況
 V 新たな連邦最高裁判例
第3章 裁判管轄権――具体的適用例
 I 不法行為に関する裁判管轄権
 II 契約に関する裁判管轄権
第4章 裁判管轄権に対する制約
 I 管轄の合意
 II Forum non convenience(不便な法廷)の法理
第5章 法の選択(準拠法選択)――伝統的ルール
 I はじめに――準拠法選択ルール概観
 II かつての伝統的ルール――予め定められた関係地の法を適用するルール
第6章 準拠法選択――伝統的ルールからの逃げ道(escape devices)
 I 伝統的ルールの例外――4つの手法
 II 性質決定を利用する逃げ道(characterization)
 III 実体と手続という区分を利用する逃げ道(substance and procedure)
 IV 反致(renvoi)
 V 公序(public policy)
第7章 準拠法選択に関する現代的アプローチ
 I はじめに
 II 風はニュー・ヨークから――ニュー・ヨーク州の動向
 III カリー教授による利益分析(interest analysis)
 IV 利益分析の修正型
 V レフラー教授の法理――よりよい法(better law)のアプローチ
 VI 第2次リステイトメントのルール
 VII 法選択ルールと合衆国憲法
第8章 連邦裁判所とエリー判決の法理
 I はじめに――エリー判決の法理
 II エリー判決以前とエリー判決、そしてその後
 III エリー判決と連邦コモン・ロー
第9章 他州判決・外国判決の承認・執行
 I はじめに――アメリカの判決の既判力(res judicata)
 II 他州判決の承認・執行
 III 外国判決の承認・執行
第10章 家族関係事件の取扱い
 I 家族関係に関する渉外紛争
 II 婚姻
 III 離婚
第11章 国際的な渉外関係
 I グローバル化の波はアメリカにも
 II 立法管轄権と域外適用
 III 国家行為の法理(Act-of-State doctrine)
 IV 外国判決の承認
 V 外国判決の執行
第12章 アメリカ抵触法の将来
 I アメリカ抵触法の現状と将来
 II シメオニデス教授の見解
 III アメリカ渉外裁判法の意義
【事項索引・判例/法令索引】
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