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伊藤塾シリーズ

遵法責務論

法哲学叢書 10

内容説明

●道徳よりも法に従うべき理由がどこにあるのかを問う!

 私たちが生きている世界は、あらゆる法が道徳的に正しいものであるといった理想社会ではありません。不正な法も存在します。その法と道徳とが衝突したとき、なぜ、道徳を犠牲にしてでも、法に従うべきなのでしょうか。
 戦後法概念論が遵法責務問題にどのように対応してきたかを、具体的な事例を紹介しつつ批判的に検討したうえで、その知見をふまえ、現代政治理論における主要な政治的責務論に対峙します。
 古くて新しい遵法責務問題に真正面から挑んだ知的冒険の書。

目次

はじめに
第1章 序論─理論的前提
  1 一応の義務
  2 遵法責務とは何をする責務か
  3 遵法責務の正当化はいつ成功するか

第1部 法概念と遵法責務─法服従の合理性から法内在的価値へ
第2章 法は権威である
  1 排除理由・置換理由としての権威
  2 強行理由としての権威
  3 法に対する忠誠
第3章 法は権威ではない─自然法論からの権威論批判
  1 法は1階の理由である
  2 理論的権威としての法
  3 法内在的価値へ
第4章 最小主義
  1 法は理由ではない
  2 法内在的価値の否定
第5章 純一性論─法の誠実性と正義
  1 純一性―法を正当化する責任としての遵法責務
  2 純一性論の限界とその教訓
第6章 法内在的価値
  1 手続的自然法論
  2 正義要求論
  3 法の支配と政治的責務
  4 小括

第2部 政治的責務論
第7章 同意理論
  1 同意の諸態様と政治的責務の正当化
  2 なぜ同意なのか―政治的責務論の意義
第8章 連帯責務論
  1 連帯責務論の定式化と批判
  2 連帯責務と不同意
第9章 帰結主義的正当化
  1 直接帰結主義による議論
  2 間接帰結主義による議論
  3 帰結主義的正当化と法内在的価値
  4 帰結主義的正当化の限界
第10章 公平性論
  1 公平性論の定式化
  2 公平性論の射程の限定
  3 公平性論擁護の試みとその限界
  4 公平性自体は内在的価値ではない
第11章 正義の自然的義務論
  1 正義と現実の統治のへだたり―ロールズ
  2 正義の適用問題としての政治的責務問題―ウォルドロン
  3 よきサマリヤ人の義務からの議論―ウェルマン
第12章 統治者に対する敬譲
  1 支配権論
  2 感謝論
  3 統治者に対する敬譲 
  4 民主制と敬譲―正義要求を保障する制度とは何か
おわりに

【参考文献/事項索引・人名索引】