本シリーズの特長

  1. 見本【Case】と【対話】で流れをイメージできる
    事件類型ないし事件の各段階ごとに【Case】を設定し、新人弁護士ノボルが先輩弁護士たちと事件受任や事件処理にあたって議論をする【対話】パートが設けられています。新人弁護士が陥りがちな勘違いを先輩弁護士が優しく、そして時に厳しく指摘してくれる親しみやすい対話形式で、事件処理に求められる思考の大まかな流れをつかむことができます。
  2. 見本簡潔かつポイントを押さえた【Check List】【解説】で「落とし穴」への備えは完璧!
    【対話】パートに続いて、本書の最大の特徴といえる【Check List】を設けており、紛争類型ないし事件の段階ごとの留意事項を効率的に確認することができます。突然、慣れない相談案件がきた場合でも、【Check List】の各項目を確認し、不安なチェック項目に対応する【解説】を読むことで、相談者に対して不安のない対応が可能となります。
    【解説】では、判例の羅列や専門書の引用などは極力避けるようにして、結論をポイントのみ記載するように心がけました。そのうえで、必要に応じて参照すべき文献や判例についても記載しており、さらに深く検討したい場合にも有用な内容となっています。
  3. 見本【ブックガイド】や【コラム】にも注目!
    本書冒頭に【ブックガイド】を設けています。必読文献について各々の特長やおすすめポイントを記載しており、本書を足がかりとしてさらに調査を深めていただくための、良きガイドです。また、今さら聞けない基礎知識や弁護士が失敗しがちな「落とし穴」にクローズアップしたコラムも読みどころです。

こんな方におすすめ

シリーズ編者

髙中正彦(たかなか・まさひこ)
弁護士(髙中法律事務所)早稲田大学法学部卒業。1979年弁護士登録(第31期)。『法曹倫理』(民事法研究会・2013年)、『弁護士法概説〔第5版〕』(三省堂・2020年)、『判例弁護過誤』(弘文堂・2011年)など。
市川 充(いちかわ・みつる)
弁護士(リソルテ総合法律事務所)東京大学法学部卒業。1995年弁護士登録(第47期)。『弁護士の失敗学』(共著、ぎょうせい・2014年)など。
岸本史子(きしもと・ふみこ)
弁護士(あずさ総合法律事務所)早稲田大学大学院法学研究科公法学専攻修了。2000年弁護士登録(第52期)。『弁護士の失敗学』(分担執筆、ぎょうせい・2014年)など。
安藤知史(あんどう・さとし)
弁護士(大西昭一郎法律事務所)早稲田大学法学部卒業。2001年弁護士登録(第54期)。『担当部門別・会社役員の法務必携』(共編著、清文社・2007年)など。
吉川 愛(よしかわ・あい)
弁護士(赤坂見附総合法律会計事務所)慶應義塾大学法学部卒業。2004年弁護士登録(第57期)。『こんなところでつまずかない! 弁護士21のルール』(共著、第一法規・2015年)、『こんなところでつまずかない! 労働事件21のルール』(共著、第一法規・2019年)など。
加戸茂樹(かと・しげき)
弁護士(四谷東法律事務所)中央大学法学部卒業。1994年弁護士登録(第46期)。『条解弁護士法〔第4版〕』(分担執筆、弘文堂・2007年)、『交通事故事件処理マニュアル〔補訂版〕』(共著、新日本法規・2017年)など。

シリーズ刊行にあたって

ひと昔は、新人・若手弁護士は、先輩弁護士によるOJTによって実務を学び、成長していったものであるが、現在は残念なことに、先輩弁護士から十分な実務の指導を受ける機会を得られない弁護士や指導が短期間に終わってしまう弁護士も、かなりの数に上っているようである。そのようなOJTに対する強い要望が背景にあるのであろう、弁護士実務のノウハウや留意点を叙述した新人・若手弁護士向けの実務書が実に多数刊行されている。しかし、それらを見ると、若干高度すぎる内容となっているもの、真に先輩弁護士に相談したい事柄を網羅していないもの、先輩の経験談を披露したにとどまるものなどが混在しているように思われる。

このような状況の中、私たちは、実務を適切に処理するにあたって体得しておくべき技法を、一覧性のあるチェックポイントと簡潔かつ明快な基礎知識とともに叙述する書籍が必要とされているのではないかと考えるに至った。執筆陣には、新人・若手弁護士に接する機会が多い中堅弁護士を核とし、さらにはこれに気鋭の若手弁護士にも加わってもらった。「実務の技法シリーズ」と銘打ったこの出版企画は、弁護士が実務において直面するであろう具体的な場面を想定し、これを紛争類型ごとに分けたシリーズとなっている。本シリーズは全巻を通して、新人弁護士ノボルが身近な先輩弁護士である「兄弁」「姉弁」に対して素朴な疑問を投げかけ、先輩がこれに対して実務上のチェックポイントを指摘しながら回答していく対話から始まる。その後にチェックポイントをリスト化して掲げることを原則とし、その解説を簡潔に行うという構成となっている。このチェックリストだけを拾い読みしても、有益なヒントを得ることができるものとなっている。さらに、当該事件を処理する上での必携・必読の文献をまとめたブックガイドを本編に先立って設けているが、これは類書にはほとんど見られない本シリーズの大きな特色であろうと自負している。また、随所にコラム欄も置き、実務上知っておきたい豆知識や失敗しないための経験知を気楽に身につけることができるようにも工夫した。

本シリーズは、各法律・紛争分野ごとの巻のほか、これに総論的テーマを扱う巻を加えて順次刊行していく予定である。読者の皆様には、ぜひ全巻を机上に揃え、未経験・未知の案件が舞い込んだときにも、該当する巻をすぐ手にとり、チェックポイントを確認して必要部分の解説を通読していただき、誤りのない事件処理をする一助としていただきたいと念願している。また、ベテランの弁護士の方々にも、未経験の事件のほか、自らの法律知識や実務経験の再チェックをするために本シリーズを活用していただけるならば、望外の幸せである。私たちも、実務家にとってそのように身近で有用なシリーズとなるよう、最大限の努力と工夫を続けるつもりである。絶大なご支援を心からお願いする次第である。

2019年1月

読者モニター(すべて現役弁護士)のご意見・ご感想

ラインナップ

会社法務のチェックポイント書影

会社法務のチェックポイント

市川 充 編著・安藤知史 編著・美和 薫 著・吉田大輔 著
2019年2月12日刊行
定価2,970円(本体2,700円+税)
中小企業の顧問等で若手弁護士が悩みがちな会社関係の問題を幅広くピックアップ。

債権回収のチェックポイント書影

債権回収のチェックポイント

市川 充 編著・岸本史子 編著・國塚道和 著・嵯峨谷厳 著・佐藤真太郎 著
2019年2月12日刊行
定価2,750円(本体2,500円+税)
「取引先の支払いストップ」にはじまる債権回収プロセスにそって、基礎の基礎からやさしく解説。

相続のチェックポイント書影

相続のチェックポイント

髙中正彦 編著・吉川 愛 編著・岡田卓巳 著・望月岳史 著・安田明代 著・余頃桂介 著
2019年2月12日刊行
定価2,750円(本体2,500円+税)
遺産分割・遺留分・遺言など、実務で頻繁に利用される相続紛争の勘所を伝授する!

交通賠償のチェックポイント書影<第2版>

交通賠償のチェックポイント<第2版>

髙中正彦 編著・加戸茂樹 編著・荒木邦彦 著・九石拓也 著・島田浩樹 著
2021年4月7日刊行
定価2,970円(本体2,700円+税)
先輩弁護士が教える交通賠償文献(別冊判タ、赤い本等)の読み方とその記述の背景にある基礎理論。

破産再生のチェックポイント書影

破産再生のチェックポイント

髙中正彦 編著・安藤知史 編著・木内雅也 著・中村美智子 著・八木 理 著
2019年12月11日刊行
定価2,970円(本体2,700円+税)
倒産事件で「検討すべき問題点」を把握するための最初の1冊!弁護士倫理にも多数言及。

建物賃貸借のチェックポイント書影

建物賃貸借のチェックポイント

市川 充 編著・吉川 愛 編著・植木 琢 著・小泉 始 著
2020年1月28日刊行
定価3,080円(本体2,800円+税)
資料やデータの収集方法などいまさら聞けない初歩的な事項も含め実務的に解説。民法改正にも対応。

労働法務のチェックポイント書影

労働法務のチェックポイント

市川 充 編著・加戸茂樹 編著・亀田康次 著・軽部龍太郎 著・高仲幸雄 著・町田悠生子 著
2020年2月17日刊行
定価3,080円(本体2,800円+税)
中小企業の職場でありがちな法律問題を、使用者側の観点から解説。「働き方改革」による改正等もフォロー。

離婚のチェックポイント書影

離婚のチェックポイント

髙中正彦 編著・岸本史子 編著・大森啓子 著・國塚道和 著・澄川洋子 著
2021年8月12日刊行
定価3,080円(本体2,800円+税)
家事事件ならではの留意事項を十分にふまえて、当事者間で紛争が先鋭化しやすく、コツや経験が求められるテーマを紛争類型ごとに解説。

裁判書類作成・尋問技術のチェックポイント書影

裁判書類作成・尋問技術のチェックポイント

髙中正彦 著・加戸茂樹 著・市川 充 著・岸本史子 著・安藤知史 著・吉川 愛 著・寺内康介 著
2022年2月8日刊行
定価2,750円(本体2,500円+税)
効果的な訴訟活動をするために必要な「裁判官の視点」を取り込んで、弁護士の視点と裁判官の視点を浮き彫りにした斬新な実務入門!

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