老いの空白

「老い」を語る、新しい哲学の誕生。著者会心、待望の書き下ろし。

著者 鷲田 清一
出版年月日 2003/06/15
ISBN 978-4-335-00053-9
Cコード 1395
判型・ページ数 4-6 上製 ・ 256ページ
定価 1,760円(本体1,600円+税)
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内容紹介
目次

「老い」について書かれた本は多い。どれも似通っているのは、固定観念としての「老い」を語ってしまっているからではないか。団塊の世代が老いにさしかかり、本格的な高齢化社会を迎えようとしている現在、そんな「老い」論にリアリティがあるだろうか?
 〈誕生から死にむかって成熟し衰えていく〉という直線的なイメージに異を唱える当代随一の哲学者が、従来の「老い」に代わる新しい〈老いの哲学〉を魅力的に提示する。
 衰退に向かう黄昏の風景としての「老い」という紋切り型を脱し、あなたは〈自分の老い〉をどのように考えるか?

1.〈老い〉はほんとうに「問題」なのか?
2.できなくなるということ
3.見えない〈成熟〉のかたち
4.〈老い〉の時間
5.〈老い〉の破壊性
6.〈弱さ〉に従う自由
7.べてるの家の試み
8.肯定と否定のはざまで
9.「いるだけでいい」「いつ死んでもいい」と言い切れるとき


【著者のことば】

 幼くしてあるということと老いてあるということ。人生の入口と出口をくぐり抜けるのがとてもむずかしい時代になっている。とりわけ〈老い〉の現実は、いま、どう考えても惨めさ、情けなさのほうが、誇りや満ち足りを凌ぐ。人類は、超高齢化社会という、その歴史に参照すべきモデルのない時代を迎えている。が、〈老い〉のかたち、〈老い〉の文化が、〈老い〉そのものの内にも外にも見えない……。〈老い〉は空白なのである。その空白のなかに、老いる者がどんどん突入しだし、〈老い〉はその存在が「問題」であるかのようにしか問題にされない。〈老い〉が「問題」としてしか問題とされないところに、〈老い〉の空白はきわまっている。だから、この時代には、〈老い〉について考えようとすれば、〈老い〉がどういう「問題」なのかを考えることからはじめるしかない……。
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